ロキソニンの致死量。
こんにちは。
こーだいです。
今回は、
ロキソニンの致死量についてです。
タイトルはまがまがしいですが(笑)
薬剤師の仕事として、
要指導医薬品・一類医薬品の販売があると思います。
今までドラッグストアで働いてて、
お客さんから、
「ロキソニンSを100箱ください。」
「ロキソニンSプラスの味が好きで、つまみにいいんだよ。あるだけ頂戴。」
などの問い合わせを受けたことがあります。
すごいですよね。
まず、その発想がないですよね。
その時は、在庫全部を売ることはなく、
受診勧奨とともに、2箱だけということで、ご購入していただきました。
そんな中で、
「ロキソニンを何錠服用したら死んでしまうのか?」
との質問を受けたことがあります。
ロキソニンの過剰摂取で死ぬなんてことを考えたことがありませんでした。
おなか痛くなってつらいだけなんじゃないかと思ってしまいます。
ということで、調べてみました!!
ロキソニン錠60mgで自殺企図目的で大量服用した女性の症例がありました。
36歳女性が3600mg(60錠)を一回で服用した症例です。
3時間後に病院に搬送された際には、意識も鮮明で、自覚症状もなかったそうです。
急性中毒症状となり、血液検査では肝機能障害、腎機能障害、血小板減少を示したとかいてあります。
11日後には全身状態良好で、自覚障害もなく、血液検査でも異常もなく、後遺症も残さなかったそうです。
半致死量LD50(この量を服用すると半分が死んでしまう量)というのがあるのですが、
ロキソプロフェンの場合、
マウス(経口)♂で3030mg/Kg、♀で3150mg/Kg
ラット(経口)♂で150mg/Kg、♀で145mg/Kg
とのデータがあります。
単純に人間に換算はできないですが、
体重60kgとすると、(ロキソプロフェンは基本60mgで計算しやすいので)
マウス♂換算だと、3030錠(18800mg)
ラット♀換算でも、145錠(8700mg)
になります。
145錠でも大変ですが、3000錠なんて飲めません。
それでも、半数が死ぬ量になるので、実際に死ぬかはわかりません。
あくまでラットとマウス基準なので、ヒトではどうなるか不明であることは大前提です。
結論としては、ロキソニンで自殺を図るのは難しいということでした。
ただ、市販薬のロキソニンSプレミアムには無水カフェインが入っているので、
また計算方法は異なると思います。
大量服用についての治療についても載っていましたが、
胃洗浄などは行うことができるでしょうが、基本的に対症療法のみだそうです。
消化器は荒れるでしょうし、つらいだけなので、
ぜひ大量服用することはしないようにしてください。
ではでは。
*1:ロキソプロフェンの大量服用による急性薬物中毒の1例、JJAAM,2011;22:772-6